
関西創価高等学校は、世界の平和に貢献する「世界市民」の育成を目指し、英語教育と世界市民教育に力を注いできました。授業内外で英語を使う機会を設けるとともに、地球規模の課題を探究し、国内外で学びを深める機会も充実しています。こうした教育の中で「TOEFL iBT® Open Possibilities プログラム(通称:TOPプログラム)」のSTAGE3に認定され、生徒一人ひとりの目標に応じた英語学習をさらに後押ししています。
関西創価高等学校の教育の根底にあるのが、「世界市民」の育成です。創立以来大切にしてきたのは、「他人の不幸のうえに自分の幸福を築くことはしない」という平和の信条です。世界の平和に貢献する人材を育てたいという思いは、現在の教育にも受け継がれています。

大月昇校長は、5つの校訓のうち「進取の気性に富み、栄光ある日本の指導者、世界の指導者に育て」と示されていることにも触れ、「世界市民を育てる学校であることを、しっかり目標として掲げながら進んでいます」と話します。
その理念と英語教育は、密接に結びついています。英語科主任の井口和弘先生は、英語のスキルや海外経験の多さが世界市民の条件ではないといいます。大切なのは、一人ひとりに備わる「慈悲・勇気・知恵」を発揮していくこと。「英語を学ぶのは、そのための一つの手段です。語学への挑戦の中で壁にぶつかりながら、自分を信じ、人として成長してほしい」と語ります。

同校では2015年度から文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定され、「環境」「開発」「人権」「平和」の4分野から地球規模の課題を考える世界市民教育を推進してきました。英語を身につけるだけでなく、その力を使って世界の課題を知り、自分に何ができるかを考える。そこに同校が英語教育を重視する理由があります。
日々の英語教育では、授業で基礎を固めながら、その外側にも学びを広げています。リーディングでは多読、リスニングではオーバーラッピングやシャドーイングなどの音読トレーニングを取り入れ、ライティングでは、5分間で自分の考えを書き続け、その後に文法や間違いの傾向を振り返る「Quick Writing」を実践しています。
授業外にも、英語を使って世界の諸問題を探究する機会があります。その一つが、2014年にスタートした「Learning Cluster(通称LC)」です。小単位のチームで「環境」「開発」「人権」「平和」の4分野から課題を決め、国際機関へのフィールドワークなどを通じて探究を深める世界市民プログラムです。
このほか、ESSや英語ディベート、1年次に創価大学の留学生を招いて行う「グローバルキャンプ」、カナダの国立人権博物館やアメリカのモントレーミドルベリー国際大学院で開催される核不拡散の国際サミットでの発表など、英語を使う場は多岐にわたります。国内・海外フィールドワークでは、調査してきたテーマについて現地で発表したり、大学教員や高校生と議論したりするなど、学んだ英語を実際に使う機会へとつなげています。
さらに放課後には「English Help Center」を設け、世界各国からのネイティブ教員と1対1のスピーキング練習やライティングの添削など、生徒それぞれの課題に応じたサポートを行っています。海外大学を目指す生徒には、英語の書籍を読み、自ら問いを立ててディスカッションやプレゼンテーションを行うなど、進学後の学びも見据えた指導が行われています。

井口和弘先生が重視するのは、生徒自身が「なぜこの学習をするのか」を納得することです。「英語は継続が大事です。そのためには納得が必要だと思います」と話します。語学の習得を自転車にたとえ、特別な才能がある人だけができるものではなく、何度も転びながら練習することで乗れるようになるのと同じように、英語も失敗を恐れず挑戦し続けることが大切だと伝えています。
日々の英語学習を積み重ねる中で、生徒が自分の力を知り、次の学びへ進むための一つの指標となっているのがTOEFLです。同校は「TOEFL iBT® Open Possibilities プログラム(通称:TOPプログラム)」のSTAGE3に認定され、それぞれの目標を見据えて英語を学ぶ生徒たちの挑戦を支えています。
同校では、アメリカ創価大学をはじめ海外大学への進学を目指す生徒も多く、現在の3年生では約20人がTOEFLに挑戦しています。学習でも試験問題だけに取り組むのではありません。BBCやCNNなどのニュースを読み、内容を要約して自分の考えを書く「Newspaper Log」や「Quick Writing」、「Speed Reading」などの毎日の宿題や、英語の書籍を読んだ上でネイティブ教員とディスカッションするなど、大学で必要となるアカデミックな英語に触れています。
井口先生は、英語の検定試験を「健康診断のようなもの」と捉えています。試験のためだけに勉強するのではなく、日々さまざまな学びを積み重ね、その時点の英語力を客観的に確かめる。その結果から自分の課題を知り、次の学びへつなげるためのツールという考え方です。
今後は、海外大学や国内大学の国際系学部・学科への進学を目指す生徒に向けた「Soka Super Global (SSG)クラス」の開設も予定されています。進学の選択肢を広げながら、TOEFLに挑戦する生徒をさらに後押ししていきたいと井口先生は話します。
大月校長は、創立者が語学を世界へ羽ばたくための「翼」と位置づけていたことを紹介し、「語学を学ぶことで翼を授けたい。それをもって世界へ羽ばたいていく人材を育てたい」と力を込めます。
英語という「翼」を携え、世界の人々とつながり、自分にできることを考えていく。その学びが、同校の目指す「世界市民」の育成へとつながっています。

2026年9月掲載
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