中川 弘子 先生
中学1年の時の英語の先生の影響で英語が好きになり、高校ではBeatlesに熱中していつも英語で歌っていました。大学は英語学科に入りましたが、帰国子女や留学経験者が多い環境の中で入学式後のプレイスメントテストで一番下のクラスに入ってしまって...そこからが私の英語との闘いの始まりでした。大学では英語サークルに所属して英語漬けの日々を送りました。教職課程を取り私学教員適性検査まで受けましたが、当時はバブルの真っただ中だったので、時流に流され外資系証券に就職。結婚後(英語圏ではない)ヨーロッパに5年住み紆余曲折したあとに、一念発起して東京都の教員採用試験を受け、30代でやっと英語の先生になることができました。以来、都内の5つの公立校で25年間英語を教えて退職し、現在、私立の千代田中学校・高等学校で講師をしています。生身の生徒と向き合う教員はわたしにとって天職だったと思っています。
― TOEFL iBTは今までに何回受験されていますか
iBTはこの2年の間に3度受験しました。昔、大学2年の時に、アメリカ交換留学に申し込むためTOEFL PBTを受けたことがあります。当時はリスニングとリーディングのみで、文法問題も多く出題されていたと記憶しています。以来、40年ぶりに受験したiBTはPCスクリーンをスクロールしながら読むのも一苦労で、その上、複合スキルズのライティングやスピーキング問題には驚いてしまいました。
―他にはどのような英語試験をご受験されていますか
英検1級は以前より持っています。昨年TOEIC 4技能も受けてみましたが、ビジネスの内容が中心で、例えば広告や仕事のE-mailから必要な情報を探すような形式ですので、企業勤めが長かった私にとっては楽な試験なのかなと思います。
― TOEFL iBTが他のテストと違うと感じられる点はありますか
TOEFL iBTの内容はアカデミックで、アメリカの大学の理系や芸術の講義を想定したものが扱われていますし、小手先のスキルでは対応できない総合的な英語力を試される、負荷の高い試験だと感じます。TOEFL iBTではスピーキングやライティングで異なる技能を総動員して闘わなければなりませんし、内容の要約やポイント整理のための思考力、それから、スピードも必要とされます。真の英語力を測るためにTOEFLはずいぶんと研究され進化してきたな、というのが私の率直な感想です。
TOEFL iBTのスコアがどのように算出されるのかについて、とても興味がありました。将来的に、自分がTOEFLの指導をすることができるレベルにあるかどうかを判断したいという思いもあり、参加させていただきました。
―ワークショップでご自身の指導に役立てられることはありましたか
オールイングリッシュのワークショップでは、講師の先生から、ネイティブの先生のような魅力的な話し方や間の取り方や冗談の言い方から、他の参加者の方々とのディスカッションや配られたマテリアルや、アイデアを書いた付箋紙をホワイトボードに張り付けていくセッションに至るまで、どのように自分が教えたらいいのかのヒントをたくさん頂きました。モデルアンサーを聴きながらルーブリックに基づいて自らスピーキングの採点者となる活動が一番印象に残っています。iBTスピーキングのスコアがどのように算出されるか知ることができました。実際の試験中には、自分はタイムリミットのせいで焦ってしまい、教えて頂いたことを思い出す暇もありませんでしたが。
実は、わたしが今教えている私立学校は、国際バカロレア(IB)認定校ですので、一部の生徒の英語は超ハイレベルで、高校2-3年生にはTOEFLやSAT対応のニーズが実際にありますので、今回学んだTOEFL 教授法が生かすことができるかもしれません。
ー先生はSilverでもともとETS Japan Recognized English Skills Educatorのご登録いただいていましたが、今回改めてご受験された際には引き続き認定に関しても意識してくださっていたのでしょうか。
元々TOEFL iBTを受けたきっかけは自分の英語力を試してみたかっただけでしたが、リーディングとスピーキングで時間切れになり画面が変わってしまうことがよくあって、思ったとおりのスコアが出ませんでした。東京都教育委員会から受検料補助制度のお知らせがあったので、Gold認定を目指してもう一度やってみようと思い立ちました。
現在修士2年目ですが、ETS Japanの認定は修士号取得後の進路に役に立つだろうと思っています。中高のほか、大学や塾の講師を想定しています。私は特にスピーチコーチングを得意としているのですが、過去に指導した生徒のコンテスト入賞実績だけでなく、ETS Japan Recognized English Skills Educator認定によって英語力の証明ができると思っています。
ワークショップに参加していなければ、ETS Japan Recognized English Skills Educator認定制度の存在を知らずにいたと思いますし、TOEFL iBTでより高いスコアを目指すこともなかったと思います。普段より、英語の先生は自分の英語力や教科の技量を磨いて授業に臨むべきだと考えています。ETSのワークショップでは英語教育に真剣に向き合う他の先生方と一緒に学び、知り合いになれたことも参加してよかったと思うことです。
上智大学外国語学部英語学科卒。2000―2025年、都立高校勤務。2024年、日本教育公務員弘済会東京支部教育実践論文「高校英語教育における、スピーチコンテスト参加の有効性」で優良賞受賞。現在、千代田中学校・高等学校英語講師。文京学院大学大学院外国語学研究科に在籍し、協同学習とディクトグロスの研究を行っている。
2025年5月掲載
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