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桐蔭学園

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“Reach Out to the World”
世界に向かっていける人材育成を目指して、グローバル教育を展開

幼稚園から大学院まで備えた学校法人の中等教育機関で、2014年度から学校生活の中心である授業の改革に着手し、2015年度から「アクティブラーニング型授業」を行っています。集めた情報を整理・分析し発表するというプロセスを通じて自ら学ぶ姿勢を身に付けさせる「探究」、自分の生き方を見つめ成長し続ける力の育成を図る「キャリア教育」と合わせて「3つの柱」を中心に据えて、生徒一人ひとりの多様性を尊重し、協働性を育む教育活動を展開しています。性差による発達段階を考慮して男女別学としていましたが、教室内に多様性を持ち込み社会へのスムーズなトランジションを実現するために、2018年度募集より高等学校が、2019年度募集より中等教育学校が共学化していきます(中学校男子部・女子部は募集を停止します)。

桐蔭学園グローバル教育センター・センター長の奥山則和先生に、2015年から取り組まれているアクティブラーニングの授業や2020年から始まる新大学入試制度に向けた取り組みについてお伺いしました。

桐蔭学園の国際化、英語教育について

奥山則和先生

本校は1964年に創立された学校で、創立時から全国で初めて「習熟度別クラス」を導入するなど受験色の強い教育を行っておりました。2014年度に50周年を迎えたことを機に、「自ら考え判断し行動できる」生徒を育む教育にシフトし、1年間の準備を経て2015年度よりアクティブラーニング型授業(以下AL型授業)の導入を始めました。思春期の生徒の発達段階の差を考慮し男女別学を採ってきましたが、社会へのスムーズなトランジションを意識した教育を進めるために、2018年度募集より高等学校が、2019年度募集より中等教育学校が共学化を進め、教室内に多様性がある環境をつくろうとしています。そういった文脈で“Reach Out to the World”というフレーズを掲げ、世界に向かっていける人材育成を目指して、グローバル教育を展開しています。

私の個人的な見解ですが、英語だけに限らず全教科でAL型授業を導入しているので、生徒が自発的に行動することが当たり前になり、授業はもちろんホームルームや学校行事など、日常のあらゆる場面において非常にやりやすくなったと感じています。AL型授業というと、発表させる等エンドプロダクトの方に目がいきがちですが、我々としては日常の中に落とし込んだAL型授業を目指しており、その中で英語のやり取りをして段階を踏んで定着を図っていくことを目指しております。

― 2020年度から始まる新大学入試制度に向けての動きなのでしょうか。また、AL型授業を導入されたことにより変化がありましたか。

新しい学習指導要領を受けてというより、2015年からアクティブラーニング研究の第一人者である京都大学(当時)の溝上慎一教授を教育顧問に迎え、AL型授業を推進し始めた時期と、国が舵を切った時期が幸運にも重なったのだと思います。AL型授業を導入して今年で4年目になり、AL型授業の基本的なことが当たり前にできるようになったのは変化だと思います。例えば生徒たちは人前で話すときに物おじせず言える、意見は言って貢献するもの、人の意見は聞くもの、意見に相違があった時は頭ごなしに否定するのではなくてその背景を探ろうとする、などといった基本的な態度ができてきました。それはAL型授業を入れたからこそ、できたことなのだと思います。私の感覚にはなりますが、学校内でAL型授業を通して培ったスキルは社会に出ても通用するツールの一つですし、そういった点はグローバル化された社会へ出たときに活きるものだと考えています。

― 他の教科の先生方とも繋がりが広がっていくように感じます。

専任教諭だけでも300人を超えることもあり、簡単にはいかないこともあります。現在中学校・中等教育学校前期課程では最初の2年間で年に1度ずつサイエンスとグローバルの特別プログラムを受けることになっています。授業や学校行事など年間スケジュールの中で生徒の日常生活に上手く入っていけるようなプログラムを考えてグローバル教育ができるように心がけています。そのプログラムが一過性のものにならないよう、実施学年の先生方には「このプログラムの活動を生徒の日常生活につなげ、多様性を受け入れた上で発信していけるように生徒の行動変容を促してほしい」とお願いしています。

生徒や保護者の方も変わってきている中で、先生方にも意識を持っていただくことで色々なニーズに応えることができ、それがアクティブに学ぶということに繋がっていくのだと思います。学校説明会などで校長が保護者の方から直接伺った話だと、「アクティブラーニング」という言葉をリトマス試験紙のように使っていらっしゃる保護者の方もいるそうです。最近では保護者の方の意識も大変高く、小手先だけでは見抜かれてしまいます。本校でのAL型授業の活動は、大学に受かったら終わるスキルではなく、その先の社会でも役立つことを目標にしていることもあり、その点で保護者の方にも認めていただいていると実感しています。

― なるほど。全体的に変わってきているというお話でしたが、英語教育にも変化が起きているのでしょうか。

奥山則和先生

色々な面で変わってきています。例えば中等教育学校後期課程の帰国子女取り出しクラスでは、TOEFL®テスト公式教材を使っています。詳細は中西渉先生の『英語力(4技能)向上に向けた授業での実践事例紹介』を読んでいただければと思います。TOEFL®テストに詳しい教諭は、「東大の入試リスニング問題はTOEFL®テストを意識しているはずだ」と指摘しています。その東京大学の入試問題を、毎年我々は分析しています。それは東大の英語の入試問題は問題の種類がさまざまであるからです。今年のリスニング問題を見ていたら、正しい選択肢はキーワードがパラフレーズされており、逆にそのキーワードを含む選択肢は誤ったものでした。文章を自分の言葉で短くまとめる、というのは学習指導要領にも書かれている教え方です。受験勉強だからと過去問ばかり取り組ませるのでなく、文部科学省がいうように教えても入試に対応できる力がつくということに気付いたことは、AL型授業も悪くないという認識が教諭間で広がる一つの契機になったと思います。

また文部科学省が公立の中高生を対象に行っている英語力調査結果でアウトプット型のライティングの解答で、白紙の割合が多いことが問題視されていますが、AL型の授業を日頃から行っていると、アウトプットさせないといけないのでそのようなことは減ってくると思います。本校では知識・技能活用型の問題を全ての考査で出題します。私は自分が所属する学年では常にエッセイを課していますが、白紙の解答用紙が少ないのです。習熟度別クラスの中で私は学力的に高い層を教えているわけではありませんが、そういう生徒でも白紙の解答がほとんどないというのは、やはりAL型授業をやってきた成果だと感じています。特に受験ではリーディングの問題で語彙や文法で難しい問題が多いですが、ライティングなどのアウトプット型は入試を見てもそんなに難しい内容が出題されていないので、AL型授業はそのギャップを突いていると思います。そういった点でも新大学入試制度は本校の生徒には向いていると感じています。

―メディアなどでもよく目にすることですが、白紙で提出する理由として発信できるコンテンツを持っていないということもあるように感じましたが、その点ではいかがでしょうか。

奥山則和先生

そうですね、両方あると思います。特に中学生の男子については、意見を言うことを面倒くさいと思っていることがあり「昨日何したの?」と聞いても「サッカー」と、一語でしか返ってこないことも多々あります。それでも、根気よくやりとりを2か月3か月と続けていって、段々と文が文章になり、段落分けできるようになります。また本校では英語だけではなく色々なところでAL型の授業を行っているので、同じ年頃の生徒に比べて表現できる生徒が多くなってきている気がします。先日も多くの大学が集まる進学相談会で、高校3年生の受験生100人を対象にライティングのワークショップを行う機会がありましたが、他校の生徒から「何書いていいか分からないです」という相談を受けました。「自分の好きなこと書いていいよ」と伝えるのですが、それが一番困るようです。日頃から自分の意見を言えるように、考えをまとめるなど地道に行うことが大切だと思います。

ご自身の留学の経験についてお聞かせください

―奥山先生はイギリスで教員免許を取得なさっていますが、その動機を教えてください。

大学で卒業後の進路を迷っていた時に、同級生のお母さんから「英語ができるなら海外でも行ってきなさい」と勧められたのをきっかけに、アルバイトをして貯金しイギリスに行きました。最初はインターンシップで日本文化を学校で紹介するという形で、向こうの学校に足掛かりを作りました。また当時、イギリスの景気がとても良かったこともあり教員が足りない状態でした。理由は例えば証券会社などに就職すれば教員の数倍を稼げることもあり、イギリスでは景気が良くなると教員が足りなくなるということが起きるようです。そのようなことも、外国の教員資格を有する私のような者が教員になりやすかった理由かもしれません。

イギリスではとても楽しい教員生活を送っていましたが、イギリス国外の教員資格で現地で教えられるのは4年間です。その後はイギリスで免許を取らなくては働けないので、免許を取得するために大学院に入学することにしました。

―いわゆる留学というよりも就業経験に近いですね。

元々就業経験があって、ステップアップのために大学院へ留学すること自体は珍しいことではありません。ただそれが教員養成コースであったのは稀なケースであったと思います。

奥山則和先生

―アジアから入学される方はいらっしゃるのですか。

そもそもイギリスの教員養成用プログラムなので肌の色はさまざまでも基本的にイギリス人が受けるもので、私のような外国人は少なかったです。イギリスでは理論と実践、現場とのすり合わせなどを学びとても勉強になりました。

―印象的な授業はありましたか。

私が印象に残っているのは小学校6年生の授業で「宇宙人が地球に来た」という話を先生が一生懸命読んで、それを児童側も熱心に聞くというような授業がありました。その授業の最後に「あなた達が宇宙人だとして、地球の人間について報告書を出すとしたらどのように書きますか」という課題が出て、児童は「なぜやらなければいけないか」「読者は誰か」というのを考えていくのですが、実はそれはフォーマルライティングの練習で、教諭が児童に意識させずに、自然と学べる授業をデザインしていました。「こうしたらフォーマルになるから、このように書いたほうがかっこいいよね」とアドバイスをしたり、作成する中で「二足歩行」などの難しい単語も自然と使うようになります。その授業を見た時に「面白いな」「このような授業受けたことなかったな」と非常に興味を持ちましたし、その授業はとても印象に残っています。

―先生ご自身が既定路線ではないキャリアを積まれてきた点も、貴校の特色あるグローバル教育やAL型授業と一致するものがあると思いました。

私自身はあまり意識していませんし、私のようなキャリアパスを推奨はしていません。しかし、ただ海外で生活したことで色々な出会いがあり今の私があるというのは事実なので、生徒も外向きにしていけるカリキュラムにしていきたいとデザインしています。生徒自身が動いていくことで、一歩ずつでも外に出ていける形にはしたいという思いはあります。

―読者の方へメッセージをお願いします

TOEFL®テストを受験される方も読まれているということなので、あえて言わせていただきますが、試験をうまく利用してほしいなと思います。TOEFL®テストを含めいい英語の検定試験は、目標点数を取得するために一生懸命頑張ることが、その先に繋がるようなデザインになっています。TOEFL®テストは大学でネイティブの学生達と一緒に勉強できる英語力があるかどうかを測る試験なのだから、それに向けて勉強することでそのような力が付くのだと思います。点数に一喜一憂せずにテストの意図を考えながら、「自分は何をしなければいけないのか」ということも勉強をしてほしいなと思います。時間が掛かっても、絶対に自分にプラスになって返ってくると思います。

―どうもありがとうございました。

奥山則和先生

桐蔭学園グローバル教育センター センター長
奥山則和先生

大学卒業後バーミンガム市内の公立小学校で日本文化を教えるプログラムを足掛かりに、ロンドンの公立中等学校で日本の教員免許(地歴)を活かしOTT(Overseas Trained Teacher)として歴史中心の人文科(Humanities)の教員になる。在英中にロンドン大学教育研究所大学院(Institute of Education, University of London)でPGCE(Post Graduate Certificate in Education)を修了し、イングランドの教員免許も取得。帰国後、首都圏のインターナショナルスクールに勤務する傍ら中高外国語の免許を取得し、2012年より桐蔭学園に勤務。グローバル人材育成教育学会理事・教育連携部会長。

桐蔭学園

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“Reach Out to the World”
世界に向かっていける人材育成を目指して、グローバル教育を展開

幼稚園から大学院まで備えた学校法人の中等教育機関で、2014年度から学校生活の中心である授業の改革に着手し、2015年度から「アクティブラーニング型授業」を行っています。集めた情報を整理・分析し発表するというプロセスを通じて自ら学ぶ姿勢を身に付けさせる「探究」、自分の生き方を見つめ成長し続ける力の育成を図る「キャリア教育」と合わせて「3つの柱」を中心に据えて、生徒一人ひとりの多様性を尊重し、協働性を育む教育活動を展開しています。性差による発達段階を考慮して男女別学としていましたが、教室内に多様性を持ち込み社会へのスムーズなトランジションを実現するために、2018年度募集より高等学校が、2019年度募集より中等教育学校が共学化していきます(中学校男子部・女子部は募集を停止します)。

明治大学

経営学部 教授 | 山下佳江先生

桐蔭学園

グローバル教育センター センター長 | 奥山則和先生

立教大学

副総長 | 塚本伸一先生

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