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明治大学 経営学部

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明治大学経営学部の山下佳江先生に、学部のこれまでの国際化推進の取り組みについて、また、2015年度に新しく設置した特別カリキュラム「GREAT」及び2017年度から一般選抜入試に導入する「英語4技能試験活用方式」についてお伺いしました。今回は山下先生が海外出張中のためスカイプでインタビューを行いました。

明治大学経営学部の国際化、英語教育についてお聞かせください

山下先生:
経営学部の国際化推進のための基盤構築は、2002年度新英語カリキュラムによってスタートしました。従来の読解を中心とした英語から「使える英語」「英語コミュニケーション能力」の習得を目標に、外部の英語試験を英語必修クラスに導入し習熟度別に3つのレベルにクラスを分けてスタートしたのが始まりです。上級クラス16~20名、中級クラス25名~30名、下のクラスは30名程度のクラスサイズで始めました。今から振り返りますと、外部の英語試験を学部の英語教育に体系的に組み込んだ初めての取り組みで、明治大学の中でも先駆けて実践的な英語力養成に取り組んだ学部であったと思います。

当初はビジネス学生のための英語運用能力測定に特化した外部試験の利用は新鮮で学生の英語学習に対する新しい認識とともに学生のモチベーションも上がったと思います。しかし、ここ十数年でIT技術の革新により英語学習も飛躍的に進歩しました。一方で、グローバル化が急速に進む中、外部英語テスト利用の習熟度別クラスだけでは多様な学生のニーズに応えることができなくなりました。レベルをスコアで分けただけでしたので、「会計の資格を取得したい」「ITの学校に通ってITの勉強がしたい」あるいは「正規留学したい」などさまざまな目的やニーズに対応したカリキュラムではなくなっていました。その結果、モチベーションが上がらない学生に対応しきれず、効果に繋がらなかった側面が見られました。

【GREAT(Global Resources English Applied Track)】
こういった状況の中、2014年度春学期、牛丸元学部長の全面的なバックアップのもと、英語科目担当の教員と専門科目担当の教員とでチームを編成し、グローバル化に対応した英語カリキュラム、グローバル経営人材育成のためのカリキュラムの構築に向けて、そのコンセプトから、履修の仕組みづくり、具体的な教授法にいたるまで根気よく議論を重ね、最終的にGREATというカリキュラムが出来上がりました。GREATのポイントはいくつかあります。

1点目は、クラス分けをした段階でGREATの履修トラックに参加したいかどうか、選ばれた学生に対してOpt out(任意離脱)の選択権を与えました。また、点数が足りずに選ばれなかったがぜひ入りたいという学生に対して、1年次秋学期・2年次春学期に一定の要件を満たせばOpt in(任意参加)できる道も作りました。これは2002年度導入の英語カリキュラムの反省点に立った見直しで、工夫した点になります。

2点目は、カリキュラムについて独自のコンセプトを生み出しました。通常、大学のカリキュラムは語学の基礎を築いた後専門英語を学ぶ、という順番ですが、GREATチームメンバーの語学・専門の先生方と色々と協議を重ねた結果、英語スキルと英語コンテンツを同時に学ぶミックス型国際教育プログラムを考案しました。入学時から英語のスキルを伸ばすとともに、教養やビジネスの専門知識を英語で学ぶカリキュラムです。このスキルとコンテンツの融合は、GREATの真髄ともいえます。

3点目は、15~20名程度の少人数クラスにおける教授法の工夫です。グループディスカッション、グループスタディ、プレゼンテーション、ペアワークなどのアクティブラーニングの教授法を導入することにより、学生の英語による主体性、協働性を養います。

4点目は、実際のカリキュラム運用面で重要な教授陣についての取り組みです。GREATティーチングチームを編成し、メールでの情報交換の他、学期に1~2回の全体ミーティングを開いて、授業の進み具合、クラスの状況、学生の様子などについて話し合いながら運営にあたります。具体的なところでいうと、各複数の教員で担当する科目の場合は、科目ごとに話し合い、教科書・シラバス・評価などについて統一し、一定の質を保証しています。

5点目は、専門教育との連携になるのですが、明治大学大学院経営学研究科に設置されているグローバルコース系の科目(英語による授業科目)について、一定の要件を満たせば学部の3年次から履修できるようにしました。より高いレベルをめざす学生のためのアカデミック・パスになります。

6点目は、GREATで学んだスキルと知識を実践する学部の国内外のプログラムとの有機的な連携です。経営学部では、海外の10大学11学部と学生交流協定を結び、学生の派遣・受入を行っています。この学部間協定留学は正規留学を目指す学生にとって1つの目標、目安となっています。この他に、海外プログラムとして、学部独自の短期留学プログラムのIBP Plus、ヴィクトリア大学(カナダ)で世界の学生とともに学ぶ3週間の夏期インターナショナルビジネスマネジメント・プログラムISIBM、2017年度から派遣開始のヴィクトリア大学ビジネス学部とのデュアルディグリー・プログラムなど多様なプログラムを用意しています。一方、国内プログラムにおいては、留学生との交流イベントi-meetingで異文化理解を促進し、英語プレゼン大会、英語エッセイコンテストなどで英語による発信力を養成します。このように明治大学経営学部では、グローバル経営人材育成のための特別カリキュラムGREATと、学部にある様々なプログラムが有機的に結びついて一つのパッケージになっています。そういった中で学生の国際性を育み、グローバル社会に自らが踏み出していく力を付けてもらいたいと考えております。

インタビュー

編集部:
始まったばかりで評価はなかなか難しいと思うのですが、このような画期的な取り組みを通しての手ごたえはいかがでしょうか。
山下先生:
昨年度が導入初年度ということで初めての1年を振り返った段階での感想は、こちらの要求するレベルが少し高かったように感じています。入学時の学生の英語の各4技能についてレベルにどうしてもばらつきがありますので、こちらが提供する内容に十分対応できモチベーションを上げた学生もおりましたが、初年度は二極化といいますかレベルが高めであったため、そういった面も少なからずあったように思います。初年度のデータを申し上げますと、GREATに選抜された学生は58名で、そのうちオプトアウトした学生が5名いたため53名でスタートしまして、その中からドロップアウトした学生が2名でした。数名の学生さんについてはモチベーションが上がらなかったという印象を持っていますが、逆に非常に恵まれていて色々と学べるカリキュラムととらえた学生は、絶好のチャンスだということでモチベーションが上がり良い意味で競争が生まれました。GREATは4年間で40単位履修となっておりまして、他学部の英語カリキュラムよりも濃密でハードなカリキュラムなのですが、そういったものに反応してくれた学生も結構いまして、初年度である2015年度の我々の評価は、まずますといったところでしょうか。

2016年度入学の現在1年次の2期生の様子ですが、日本人・ネイティブを問わず、担当教員からは、2期生はどんどん手をあげて自分から発言しようとする学生が多くとても積極的だ、ディスカッションも活発に行われている、という報告を受けております。入学時の外部英語テストの平均点も上がり、これまでのところ、全体として非常にポジティブにとらえています。GREAT履修生にはぜひ留学をして外に出て色々なことを経験し、大きく成長してもらいたいという思いがGREAT教員全員の根底にあります。正規留学の準備のため、また、英語の教養・専門のコンテンツを十分に理解し思考できる訓練を目的としてTOEFL® テスト強化クラスを用意しました。また、1年次4月と2年次10月にTOEFL ITP® テスト受験により英語力の測定と留学のサポートを行います。このようにTOEFLの要素をカリキュラムに取り入れることにより、英語運用能力の向上を図るとともに、留学に対するモチベーションを上げたいとGREATの教員みんなが考えています。
編集部:
2年目となる今年度の入学者のポジティブな様子は嬉しいニュースですね。2年目でGREATの趣旨が浸透し始めたのではないでしょうか。今の学生さんは、どこに連れていかれるのかある程度先を見せてあげることでモチベーションが上がる傾向にあるようです。
山下先生:
なるほど、おっしゃる点は重要だと思います。カリキュラムの趣旨、特に具体的な趣旨―なぜ今それをやらなくてはならないかーということを十分に理解することは学生にとっても教員にとっても大事なことです。今回GREATを実施するにあたり、学部ホームページ等でGREAT図を作成し、伸びた矢印の先にさまざまな職業・キャリアを並べて、将来のキャリア・パスへつながるイメージを打ち出しました。学生が自分の将来のイメージを描けることは大事だと思います。GREAT担当の教員もこういった人材育成の趣旨をよく理解した上で教育にあたっています。
編集部:
英語の発信力を高めるということですが、カリキュラムをデザインする際に特に意識されたことはありますか。
山下先生:
英語による発信力というと、その技術的な面に目が行きがちですが、伝えたい内容がある、何を伝えたいか、ということが重要でこちらが先に来るべきものです。伝えたい内容の充実については、やはり幅広い教養を身に付けることが大切です。そのため、GREATの必修科目としてGlobal Issuesという教養科目を作りました。グローバル・ビジネスの場で求められている人材には教養も非常に重要で、身近な話題から世界を見つめる視点を持つことを主眼とし、英語で教養を身に付ける側面を1年次のカリキュラムに組み込みました。また、明治大学がスーパーグローバル大学に採択されたこともあり、明治大学全体としても異文化理解推進、英語による発信力の強化に取り組まなければいけないということが共通認識としてあります。そういった中で、経営学部での取り組みに対する一定の評価を感じています。

2017年度から導入される4技能英語試験を含めた入学者選抜方法導入の経緯を教えてください

山下先生:
文部科学省による2020年度の大学入試改革に対応するための英語教育改革というものを考えていかなくてはいけないということがありました。また、一方で他大学での英語の外部試験の導入を含めた動きもかなり出てきていました。そのような中、学部の入試担当者から現在の「読み」を中心とした英語の入学者選抜の試験については限界があるのではないかということで、2014年11月に外部英語テストの導入について学部執行部に提案がありました。その提案を受け、学部内の委員会・教授会等で十分に議論を重ねた結果、2017年度から一般選抜入試に「英語4技能試験活用方式」を部分的に導入することになりました。高大接続改革という観点から、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーの3つのポリシー間の連続性・整合性に基づいた入学者選抜になります。入口のところで英語4技能をバランスよく身に付けることを志向する入学者を獲得し、受け皿として用意したGREATなど学部の国際色豊かな教育カリキュラムにおいてグローバル社会で力強く活躍できる人材の育成・輩出、という連続性・整合性を図ります。

今後の展望をお聞かせください

山下先生:
経営学部では、将来国際キャリア・パスにつながるものとして、2015年度ヴィクトリア大学ビジネス学部とデュアルディグリー・プログラム派遣に関する協定を締結し、明治大学における経営学士(Bachelor of Business Administration)と海外大学の商学士(Bachelor of Commerce)の2つの学位を5年間で同時に取得、という新しいプログラムも始めました。また、GREATについては、2017年度から定員を60名から100名に拡大し、より充実したカリキュラムを提供する予定です。英語による教養・専門知識を学ぶGREATで、英語による分析力、思考力、判断力、発信力を養い、将来高度に専門的で複雑な内容を適切な英語を使って、国際社会のマナーに従ってタイミングよく伝え合える英語コミュニケーション能力をつけてほしいと思います。そして、何より、伝えたい内容、伝えたい自分を磨いてほしいと思います。そのためにはまず海外に出てチャレンジしてほしいです。正規留学などを通して、世界の多くの人たちと交わり、多くの苦労をし、ときどき挫折したりしながら、そのたびに大きく成長し、将来グローバルリーダーとして活躍する学生が多く出てくることを期待しています。

どうもありがとうございました。

 

明治大学 経営学部
  • 明治大学 経営学部
    山下佳江先生
  • 上智大学文学部卒業後、英語助教諭として徳島県三好市立池田中学校にて1年間勤務後渡米。カリフォルニア州立大学フレズノ校にて言語学修士号取得。ハワイ大学言語学部にて言語学博士号取得。帰国後、鳴門教育大学実技教育研究指導センター助教授を経て、明治大学経営学部准教授。2002年4月同教授。同「グローバル経営人材育成トラックGREAT」の設立・運営に携わる。専門は母語習得・第二言語習得、言語習得理論。

 

明治大学 経営学部
  • 明治大学 経営学部
  • 1953年に私立大学最初の経営学部として設立される。語学教育、教養教育、経営学科・会計学科・公共経営学科における専門教育との有機的連携が特徴の教育カリキュラムを用意。国内外の多様な国際プログラムの展開により「グローバルレベルでビジネスを創造・推進する経営人材」の輩出をめざす。